「中国・四国のトンボ図鑑」紹介
■ 中国・四国地方で記録された全種(108種と1亜種)について収録しています。一部の迷入種を除き、写真はすべて中国・四国地方で撮影されたものです。標本の産地についても同様です。携行にも便利なA5サイズのフィールド版となっています。
■ 1種について見開き2ページ構成とし、左ページに標本写真(一部展翅標本・異色型なども掲載)と解説。右ページに生態写真2種を基本とし、多型があるニホンカワトンボなど数種については倍ページ扱いとして色彩の違いを展翅標本で示しています。
■ 最新の知見を盛り込みつつ、著者の観察に基づいた具体的解説にこころがけました。中にはより詳細な行動時間など、これまでの図鑑にはない生態を詳述したものがあります。
■ 学名は最新かつ妥当なものを使用しました。現時点での最新情報となっていますので報文など学名を要する際に活用できます。(亜種名を削除したものもあります)
■ 国内外の分布状況とともに、中国・四国地方における生息状況にも言及していますのでより実感的な状況が掴めると思います。種個別の分布図はありませんが、県別の分布表は最新のものです。また、環境省・中国・四国地方9県のRDB評価も掲載しています。
■ 生息地の保全に関する留意点などについて記している種がいくつかあります。これまでの図鑑では見られない記述です。初心者・諸官庁などに対し、生息環境保全の初期意識の導入に一役かってくれるものと期待しています。(ヒヌマ・ムカシヤンマ・ミヤジマなど)
■ 幼虫は、等倍写真で終齢幼虫全種を掲載していますので、現地でのヤゴの同定に便利です。(制作期間が短く、横向き撮影不能であったイトトンボ類の同定には向いていません)
■ 紛らわしいトンボについては、10ページにわたって成虫の見分け方を示しています。
■「まえがき」に虫屋の「志」を込めました。
昆虫少年が絶滅寸前だという話は、最近少しずつ耳にするようになりましたが、そこまでの話題にしかされていません。虫との対比なり、比喩のひとつとして現状を述べているだけだからなのでしょうが、肝心なのは、なぜそうなることが問題であるのかという部分であり、虫屋がやらなければならないものは一体何なのかについて、ここで発信しておくべきであろうということから「まえがき」にそれらの一文を掲載しました。
今、虫屋が一番にやらなければならないものは、おためごかしにも等しい保全活動ではなく、昆虫少年の絶滅を回避する行動です。先細りの趣味の世界に未来などないからです。蜻蛉学会にしろ鱗翅学会にしろ、会員皆老齢化が進んでいるはずです。青少年や取り巻く社会に対し、今後関係組織がどのような働きかけをしてゆくのかが、虫の世界の未来を左右すると言ってもよいでしょうし、地元同好会のあり方が今問われているのだと思います。
トンボの図鑑ではありますが、「まえがき」ではあえて「トンボ屋」の語を使いませんでした。蝶屋だ甲虫屋だと線引きをせず、「虫屋」としている部分には、我々のもうひとつの「志」が込められています。
■ 巻末の「著者略歴」の項に「トンボ屋の一文」を添えました。生身の人間としての軌跡や思いを記したもので、短文ながら読者に親近感を持ってもらえるよう企画しました。

書 名:中国・四国のトンボ図鑑
著 者:杉村光俊・小坂一章・吉田一夫・大浜祥治
サイズ:A5版 255ページ

発行所:ミナミヤンマ・クラブ
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-4-10 加島ビル
TEL:03-3234-5520 FAX:03-3234-5526
http://www.minamiyanmaclub.jp/
発売元:鰍「かだ社

発行日:6月下旬〜7月上旬予定 全国主要書店にて販売
【6月28〜29日開催の第19回全国トンボ市民サミット豊岡大会での
販売を目標にしているはずですが、間に合うのかどうか微妙です】
予価:3200〜3800円程度になるのではないかと思われます。