概 要: |
今年のアサギマダラ・マーキング調査も,西部地区と東部地区に分かれて開催しました.
<西部地区>
朝9時頃、少し肌寒さを感じながらも、全10名が集合しました。
例年は神上寺駐車場に集合し,各々で華山展望台に移動してから採集を行いますが,今年は昨今の大雨により展望台までの道が崩落しているとの情報があり,集合場所付近で採集を行うことになりました。
華山展望台での採集が困難になったことでアサギマダラが採れるか不安に感じていましたが,朝のミーティング中も既にアサギマダラがヒラヒラと舞飛んでおり,昨年の不調を感じさせない充実した調査会となりました。
10時を過ぎるころには気温も上がり,多くの昆虫類も見られるようになりました。
民家周辺では迷蝶のクロマダラソテツシジミも発生していました。
12時前頃からマーキングを始めましたが,マーキングしたアサギマダラを集計したところ,最終的には29頭(オス24頭、メス5頭)捕獲でき,全てにマーキングして放蝶しました。
なお,他の地域でマーキングされた個体の再捕獲はありませんでした。 (川原記)
アサギマダラ以外に,下記のような昆虫が確認されました。
・チョウ・ガ類:ツマグロヒョウモン,メスグロヒョウモン,アカタテハ,キタキチョウ,ヤマトシジミ,シルビアジミ,ウラギンシジミ,クロマダラソテツシジミ,チャバネセセリ,キマダラオオナミシャク
トンボ類:オオアオイトトンボ、ナツアカネ,ヒメアカネ,マユタテアカネ,オナガアカネ,シオカラトンボ
カマキリ類(直翅目):オオカマキリ,ハラビロカマキリ,コカマキリ,カマドウマの一種、
アブ・ハチ類:ベッコウクロハナアブ,オオスズメバチ,キイロスズメバチ,リュウキュウコオロギバチ,スズバチ,ヒメハラナガツチバチ,キスジクチキヒメバチ
コウチュウ類:オオセンチコガネ
<東部地区>
東部地区は,例年通り屋代島(周防大島町)で実施しました.
東部の参加者は8名で周防大島町の外入にあるアサギマダラ公園にて午前10時から11時30分までの間にマーキングを行った。
しかし例年よりアサギマダラの数が少なく標識数は110頭にとどまった。
昨年までは毎回200頭を超えるマーキングを行ってきたが今年は飛来数が少ないうえに観光客が多いためネットによる捕獲もままならず時間を短縮して調査会を終了した。
また、調査会の日に今年は1頭もの再捕獲が無く異例なことである。
標識のために捕獲したアサギマダラのほとんどが新鮮個体であり比較的近い所で発生した3化の蝶であると思われる。
古い個体が少ないことは遠方からの飛来が少ないこととこの近場での1化・2化の生き残りが少なかったと考えられる。
その理由は昨年からの続きで春の発生数が少なかったことに加え今年の夏の異常高温が影響して古い個体が十分に長く生き残れなかったのかもしれない。
しかし、春から夏の間の状況が良くなかった割に秋の新鮮個体が多くなったことは考えようによっては喜ばしいことだと言える。
これらの新鮮個体が多いことは来春に越冬幼虫を多く残す可能性があると考えれば、来春にはアサギマダラの数が少しは回復するかもしれない。
それにしても今年の北からの古い個体の南下蝶が少なく新鮮な3化の割合が高いのは異例のことである。
なお、本日10月18日に光市内で10月15日に大島外入でマーキングした個体が見つかっている。今年初めての移動の確認であった。(山本記)
なお,今回のマーキング識別記号は以下のとおりです.
【西部地区⇒山ム 10.15 *** W・連番 ,東部地区⇒ 山ム 10.15 *** E・連番 】
Wは西部地区,Eは東部地区を示します.***は記入者イニシャルです.
再捕獲された方は山口むしの会(電話0833-77-3019)までご一報ください.
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